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水環境を守る③:水環境に関する各種レポート・統計等

水環境に関する各種レポートをご紹介いたします。正確な内容が必要な場合には、引用元をご確認ください。また、内容のお問い合わせについてはご容赦ください。無断転用はご遠慮ください。

海外レポート:Vital Water Graphics

発表元:UNEP(United Nations Environment Programme, 国連環境計画)2008

世界の水環境問題を画像を使い、分かりやすくまとめたレポートです。非常に充実しており、内容も多岐にわたっております。再配信可能とのことですので、以下、レポートから一部抜粋・要約しております。更に詳細をご覧になりたい場合には、UNEPの下記サイトから配信されておりますので、そちらをご覧下さい。

引用:UNEP (2008), Vital Water Graphics - An Overview of the State of the World’s Fresh and Marine Waters. 2nd Edition. UNEP, Nairobi, Kenya. ISBN: 92-807-2236-0

http://www.unep.org/dewa/vitalwater/index.html

水と人口

  1. 産業革命以前は人口が今ほど多くはなく、全ての人を満足させるだけの水を消費することが可能でしたが、19世紀以降、状況は大きく変わっています。人口は急激に増加し、1800年には世界の人口は10億人、1900年で20億人だったのに対し、2007年には66億人に達しています。
  2. 下図は今後の人口の中位予測ですが、2050年には90億人以上との予測になっており、その大部分は発展途上国、地域でいうとアフリカと南米の人口増加によるものです。

    人口中位予測

世界の水の現状

  1. 地球上の水は常に循環しています。水の循環は降雨、蒸発、浸透、地下水の流れ等により構成されております。(例えば、海で蒸発した水の約90%は海で雨となり戻りますが、残り10%は地上に降ります。)
  2. 下図は地球上の水資源の構成です。これによると、全世界の水のうち97.5%が海水で、残り2.5%が淡水となります。その残り2.5%の内訳は、68.9%が氷河と万年雪、30.8%が地下水(土壌の湿気・沼地・永久凍土層を含みます)、0.3%が湖・河川の水となっております。つまり、人間が飲み水として利用可能な淡水は、地球上の全ての水のうち、わずか0.01%にとどまります。

    地球上の水資源構成

淡水資源:水資源の貯蓄

  1. 地球上の淡水資源の大部分は入手が困難となっています。例えば、全淡水資源のうち、70%はグリーンランドと南極にあり、人の居住区からは離れた場所に存在します。また、アメリカ地質調査所(USGS)の調査によると地球の氷の96%が南極と北極に存在します。入手可能な淡水資源のうち、90%以上が地下水であり、約15億人の人々が地下水に依存しています。
  2. 地下水からの取水は、全取水量の約20%を占めます。湖の淡水のほとんどは高所に存在しており、50%近くはカナダにあります。また、乾燥地域の湖は蒸発により塩分濃度の上昇という現象がおきております。(例:カスピ海、死海など)

淡水資源:水資源の消費と管理

  1. 世界の年間の水の取水量は1995年の2,070km3から、2000年には3,790km3に増加しました。主要な灌漑地を有するアジアの取水量は全世界の57%(うち、消費される分だと70%)に達します。今後も世界の取水量は10年で10-12%の割合で増加すると予想されています。(増加分は主にアフリカと南米による)
  2. 水の利用をセクター別に見ると、 世界での総使用量のうち約75%は農業用、約 20%は産業用、5%は家庭用となっています。
  3. また、最貧国においては、きれいな水にアクセスできる人は限られており、それが国の発展を阻害する要因の一つとなっています。なお、世界できれいな水にアクセスできる人の割合は1990年の79%(41億人)から、2000年には82%(49億人)に上昇しています。地域別に見ると、アフリカでは5人のうち2人がきれいな水にアクセスできません。1990年代では、世界の都市部できれいな水にアクセスできる人の割合は上昇している一方で、農村部での割合が減少しております。また、アフリカ、アジア、ラテンアメリカ、カリブ諸島の農村部では約10億人がきれいな水にアクセスできません。2015年までの国連の目標を達成するために、約15億人が新たにアクセスできるようにならなければなりません。(2000年時点、Global Water Supply and Sanitation Assessment 2000)
  4. 発展途上国では劣悪な公衆衛生も心配されております。世界でし尿処理施設を使える人の割合は、1990年には55%(29億人)から、2000年には55%(36億人)に上昇しましています。2000年当初には人類の2/5(24億人)が、良い衛生施設を使うことができませが、その主な地域はアジアとアフリカです。(the Global Water Supply and Sanitation Assessment 2000)

淡水資源:水不足

  1. きれいな水は地域により、その入手のし易さが異なります。また、将来的な水不足が深刻になることが心配されております。
  2. 2025 年までに、3 人に2 人が水ストレス(一人当たり年間水量1700m3以下の環境)の地域に住むことになると予測されています。特に、将来的にサハラ砂漠以南のアフリカ諸国の水不足が予想されております。
  3. 現在は、29 の国で4 億5,000 万人が水不足で苦しんでいます。 下図は国別の一人当たりが手に入れることの出来る水量です。濃いオレンジの国が一人当たりの推量が少ない国で、中東、南アフリカ、インドなどが水不足となっていることが分かります。

    水の入手し易さ

淡水資源:都会における水の管理

  1. 世界の急速な都市化による人口移動は、都市の地下水汚染をもたらしています。無秩序な地下水のくみあげと、ゴミや汚水の廃棄が地下水汚染に繋がっています。
  2. 世界では都心部と農村部での水の奪い合いという現象も起きています。都心部で不足している水を地方から長い距離を移送し、結果として農村部で水不足が生じます。

淡水資源:河川における環境破壊

  1. 河川の自然の流れはダム・流域への排水・取水行為などにより影響を受けます。
  2. 過去の調査では、調査対象の227の河川のうち37%が人間の活動に強い影響を受け、23%が中程度の影響を受け、残り40%が影響なしという結果でした。(流量ベースでは90%が強い、または中程度の影響を受けています)
  3. ダムの影響:大型ダム(15メートル以上と定義)の建設は過去50年で急激に増加しました。また、ダムの大型化(特にアジア地域)も進みました。1997年時点で世界中で45,000基の大型ダムがあり、そのうち22,100基は中国、アメリカが6,390基、インドが4,000基、スペインと日本がそれぞれ1,000~1,200基となっています。 現在多数の建設中のダムを抱えている国としては、トルコ、中国、日本、イラク、イラン、ギリシャ、ルーマニア、スペイン、南米パラナ川流域の国々などがあります。ダム及び水量調整の悪い影響としては、漁獲量の減少、生物多様性の喪失、洪水の深刻化と増加、洪水が起こる地域の土壌中栄養価の減少、病気の増加等などがお起こりえます。

淡水資源:水と健康

乾燥地帯での洪水の増加はコレラのような病気を広げます。コレラは1950年代には根絶されかけていましたが、近年は増加傾向にあります。

海岸・海の水について

海洋汚染の約80%は地上における活動に由来するという試算があります。(工業化が進んだ海岸エリアとその水域の貧酸素化には強い関係があります。下記グラフの赤い点で貧酸素化が観測されたことを示しています。日本・ヨーロッパ・アメリカ・香港など工業化が進んでいる地域に集中して観測されることが分かります。)

海岸地域汚染

水と気候変動

  1. 加速する気候変動は近い将来間違いなく水の循環や地理的分布に大きな変化をもたらすと考えられ、いくつかの地域では降水不足による農業への影響などが予想されています。
  2. 気候変動の影響による海面の上昇も予測されています。海面上昇により、水没や一部沿岸地域の水没なども予想されています。
  3. 下記図は、2050年までに気候変動による取水量に対する影響の予想となっております。一番濃いオレンジ地域が最も影響を受ける(20%以上の減少)と予想されている地域で、比較的裕福な地域・国であるヨーロッパ、アメリカ、ブラジル、南アフリカなど影響が大きいことが分かります。

    気候変動による取水量への影響

汚水処理人口普及状況について(平成27年末)

発表元:農林水産省、国土交通省、環境省

発表日:平成28年9月5日

  1. 本レポートは下水道だけではなく、浄化槽や農業集落にある排水施設なども含め、汚水処理施設がどの程度普及しているかという統計を行っております。
  2. 全体の汚水処理人口普及率は89.9%となっております。 (前年度末の89.5%から若干の伸び)
  3. 大都市と中小市町村で大きな格差。特に人口5万人未満の市町村の汚水処理人口普及率は77.5%と低い水準となっております。
  4. 参考資料として都道府県別の排水処理に関するプロジェクト一覧が添付されております。
  5. 各処理施設別の処理人口一覧:
    下水道 農業集落
    排水施設等
    浄化槽 コミュニティ・
    プラント
    9926万人 358万人 1167万人 23万人
  6. 汚水処理人口普及率:汚水処理施設の人口普及率の上位・下位それぞれ10位を下記に並べてみました。住宅密集地である都市部では普及率が高く、人口が密集していない地方で人口普及率が低くなる傾向にあります。
    上位10都道府県 下位10都道府県
    順位 都道府県名 汚水処理
    人口普及率
    順位 都道府県名 汚水処理
    人口普及率
    1 東京 99.70% 38 群馬 78.50%
    2 兵庫 98.70% 39 島根 77.80%
    3 滋賀 98.50% 40 鹿児島 77.70%
    4 神奈川 97.90% 41 青森 77.10%
    5 京都 97.60% 42 愛媛 76.30%
    6 長野 97.40% 43 高知 74.80%
    7 大阪 97.30% 44 香川 74.30%
    8 富山 96.10% 45 大分 73.60%
    9 北海道 95.00% 46 和歌山 60.60%
    10 福井 94.20% 47 徳島 57.30%

全国一級河川の水質現況の公表について(平成27年)

発表元:国土交通省

発表日:平成28年7月11日

  • 本レポートは全国にある一級河川の水質状況の報告昭和30年代からはじまった調査です。各河川の水質状況がどのように改善(または悪化)してきたか知ることが出来ます。
  • 河川、湖沼、海域全体で、有機汚濁の代表的な指標であるBODまたはCODが基準を満足した調査地点の割合は92%と過去最高となり、河川水質の改善は着実に進んでいることが分かります。
  • このうち、河川は 97%と8年連続で 95%以上となった。

環境統計集(平成28年)

発表元:環境省

発表年:平成28年

  • 本レポートの中の一部に水環境に関する統計(国際比較)が掲載されております。河川の水質、湖沼の水質、下水処理施設利用人口の国際比較と、各国の淡水資源と取水量が記載されております。
  • 5章に国内の水環境に関する統計がまとまっております。

日本の水資源(平成26年版)

発表元:国土交通省

発表年月:平成26年8月

  • 日本の水資源に関して学ぶのであれば、こちらのレポートが一番分かりやすいです。国土交通省のホームページからご覧になることが可能です。

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