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水環境を守る①:排水処理手法について

排水処理手法

  • 排水処理には、除去対象物に応じた処理方法を選ぶ必要があります。また、一つの手法での処理だけでなく、複数の手法の組み合わせでにより多段処理することが一般的です。
  • 除去対象物がどのような物質で、どのように水に混ざっているのかは重要な要素です。排水処理対象の状態を知ることは排水処理の第一歩となります。
  • 例えば、物質の種類・大きさ・比重や、比較的大きな粒子が水に混ざっているのか、または微細な粒子が水に溶け込んだ状態なのかなど、排水処理には様々な要素が関係してきます。他にも、処理すべき排水量、固形物濃度、予算等も重要です。更に、どのレベルまできれいにするのか(河川放流なのか飲み水なのか)、それに関連し国・地域の排水規制がどうなっているのかなども考慮する必要があります。
  • 排水処理には大きく分け、物理的な処理と生物化学的な処理がありますが、除去対象の物質により様々な手法がとられます。下記表は工業・産業分野でよく用いられる手法の一部をご紹介いたします。
処理方法 具体的内容
固液分離
(前処理が多い)
セパレーター
サイクロン
遠心分離機
固体・液体の比重差を利用したサイクロン式セパレーター、遠心力を利用した遠心分離機などにより、固体と液体を分離する固液分離の代表的な手法
スクリーン バースクリーン・スリット型のスクリーンで、粗粒を分離
浮上・沈殿を利用した分離 浮上分離:水に浮く比重の軽いものを、液体上部から分離する。代表例としては油水分離など
沈殿分離:浮上分離とは逆に水中に沈んだ沈殿物を排出処理することで、固形分を分離
凝集剤の利用 凝集剤を利用し、微細粒子や溶け込んでいる物質をを粗大化し、沈殿・ろ過等により処理する。
ろ過 砂濾過・濾布(化学繊維)、水処理膜(フィルター)等を使い、分離する方法。
マグネット 鉄粉などの固形物を、強力なマグネットにより吸着除去する方法で工業分野の排水処理で利用される
イオン交換樹脂 水中のイオンをイオン交換樹脂を通すことで他のイオンと置き換える水処理手法。半導体産業などで必要とされる超純水を作る際にも用いられる。
化学反応を
用いた処理
化学反応を使った水処理は重金属などの有害物質を処理する際などによく用いられる。古くからある例では、凝集沈殿させるアルカリ沈殿法などがある。
乾燥 乾燥を行うことで水分を飛ばし(減容)、残った固形分を廃棄物処理する方法。
高度浄水
処理
活性炭 活性炭には目に見えない無数の微細孔があり、その孔に物質を吸着させることで、水中の有機物や色素などを除去する方法。
オゾン処理 非常に酸化力のあるオゾン(O3)を用いた排水処理方法で、その酸化力による消毒や脱色・脱臭、微生物処理にも用いられる。
生物処理 細菌・カビなどの微生物の働きを利用し、排水浄化を行う。好気性処理と謙気性処理があり、代表的なものに、前者では活性汚泥を利用したものや、後者ではメタン発酵などがある。

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