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炭化水素系洗浄剤 HC-PF55E
高機能洗浄剤HCシリーズの一つである、HC-PF55Eは、従来のフラックスや油汚れはもちろん、特に以下の汚れに対し、優れた洗浄効果を発揮します。
・鉛フリータイプソルダーペースト
・低残渣、無洗浄タイプフラックス
・ワックス、レジスト、インキ等
炭化水素系洗浄剤HC-PF55Eの特徴の特徴
優れた洗浄力
- フラックスや油類に対する溶解力に優れ、特に洗浄が困難な鉛フリーハンダ用や無洗浄タイプのフラックス等の除去に適しています
- ワックス、レジスト、グリース等にも除去能力を発揮します
安全性に優れる
- 塩素系溶剤・代替フロンのような環境への影響が少なく、低毒性の安全性が高い洗浄剤です。
- 有機溶剤中毒予防規則、PRTP法の適用を受けません
- 引火点が49℃で常温では引火しません
- 芳香族系炭化水素を含まず、低臭気で取り扱いが容易です
高品質・高安定性
- 高品質であり精密洗浄に適しています
- 汚れと蒸留分離が容易であり、連続蒸留回収使用が可能となります
- 高温使用においても、他社洗浄剤と比べ安全性に優れています
水によるリンス不要
- 洗浄後に、そのまま乾燥できます
- 水系洗浄のようなシミ・錆の発生がありません
HC-PF55Eの性状・物性
項目 | 単位 | 物性 |
外観 | 無色透明の液体 | |
---|---|---|
臭気 | 微臭 | |
色調(APHA) | 15以下 | |
沸点 | [℃] | 162 |
比重(25/25℃) | 0.825 | |
粘度(30℃) | [Pa・s] | 0.00187 |
表面張力(20℃) | [N/m] | 0.024 |
蒸発潜熱 | [J/g] | 356 |
蒸気圧(20℃) | [kPa] | 0.034 |
引火点 | [℃] | 49 |
発火点 | [℃] | 250 |
爆発範囲 (常温、110℃) |
[vol%] | 1.1~7.8 |
体積抵抗率(23℃) | [Ω・cm] | 3.1×108 |
HC-PF55Eシリーズの性能(洗浄試験データ)
HC-PF55Eの洗浄テストの試験結果は下記をご覧下さい。(塩化メチレン・トリクロロエチレン・IPA等の洗浄剤との比較)
HC-PF55Eは、フラックス、ソルダーペースト、切削油、ワックス等の各種汚れに対して優れた洗浄効果を発揮しております。
(1)フラックスに対するの洗浄性
試験方法:ガラエポ基盤をフラックス溶液に浸漬後30分風乾しリフロー後、30分間室温で冷却したものを被洗浄物とし、各洗浄剤で一定時間超音波洗浄(40℃、1.5分)を行う 横軸:イオン性残渣(μgNaCl/in2)
(2)ソルダーペーストに対する洗浄性
ガラエポ基盤にソルダーペーストを塗布して、リフロー後、30分室内で冷却したものを被洗浄物とし、各洗浄剤で一定時間超音波洗浄(40℃、1.5分)を行う。 横軸:イオン性残渣(μgNaCl/in2)
(3)切削油に対する洗浄性
試験方法:切削油を一定量付着させた40メッシュの金網を、ガラス板2枚にて挟み込んだものを被洗浄物とし、各洗浄剤で一定時間攪拌洗浄(40℃、4分)を行う
(4)ワックスに対する洗浄性
試験方法:ガラス板にワックス(0.1g)を130℃で溶融塗布後、30分間室温冷却したものを被洗浄物とし、各洗浄剤で一定時間超音波洗浄(40℃、10分)を行う
HC-PF55Eの各種材料に対する影響
HC-PF55Eの各種材料(樹脂・ゴム・金属)に対しても使用可能ですが、一部の材料には影響が出る可能性があります。具体的には下記表をご参照ください。
樹脂・ゴムへの影響
試験材料 | 試験条件: 40℃、1hr |
試験条件: 100℃、1hr |
試験条件: 100℃、150hr |
||||
重量 変化率[%] |
寸法 変化率[%] |
重量 変化率[%] |
寸法 変化率[%] |
重量 変化率[%] |
寸法 変化率[%] |
||
樹脂 | フッ素(テフロン) | ◎ | |||||
ポリアミド(ナイロン) | ◎ | ○ | ◎ | ◎ | |||
フェノール(ベークライト) | ◎ | ||||||
ポリアセタール(デルリン) | ◎ | ○ | |||||
メラミン | ◎ | ○ | ◎ | ||||
エポキシ | ◎ | ||||||
ポリエチレン | ◎ | ○ | △ | ○ | |||
ポリプロピレン | ◎ | ○ | △ | ○ | |||
ポリエステル(PET) | ◎ | ○ | ○※ | △ | ○※ | ||
硬質塩化ビニール | ◎ | ○ | △ | △※ | |||
ポリカーボネート | ◎ | ○ | ◎※ | △ | ◎※ | ||
ポリスチレン | ○ | ◎ | △ | -※ | - | -※ | |
ABS | ◎ | ◎※ | △ | -※ | × | -※ | |
PBT | ◎ | ○ | |||||
アクリル | ◎ | △ | -※ | - | -※ | ||
PPS | ◎ | ||||||
ゴム | フッ素ゴム(バイトン) | ○ | ◎ | ○ | ○※ | △ | △※ |
NBR | ○ | △ | △※ | △ | △※ | ||
パーフロロエラストマー | ◎ | ○ | ◎ |
判定基準 | ◎ | ○ | △ | × | ※ |
---|---|---|---|---|---|
変化率[%] | 0~1未満 | 1~10未満 | 10~50未満 | 50以上 | 白化、軟化、変形、溶解等の異常 |
注1.試験材料…日本テストパネル工業株式会社製 (寸法: 24×90×2mm)
注2.試験方法…所定温度に保持した洗浄剤に試験材料を入れ一定時間後に取り出し、エアーブロー乾燥後、デジケーター中で30分間室温放置。変化率[%]を求める。
注3.試験材料変化率を以下基準にて判定
金属への影響
金属 | 外観 | 重量変化率[%] |
SUS-304 | 変化なし | 0.01以下 |
鉄 | ||
鋼 | ||
アルミニウム | ||
亜鉛 | ||
真鍮 | ||
砲金 |
注1.試験材料…日本テストパネル工業株式会社製 (寸法: 13×65×2mm)
注2.試験方法…100mlの試験管に洗浄剤30mlとよく磨いた試験金属1枚を入れ、上部に還流冷却機を取り付け、オイルバス(100℃)にて加熱する。一時間後に試験金属を取り出し、エアブロー乾燥後、外観の観察及び重量変化率[%]を求める。
HC-PF55Eの使用方法・注意事項
使用方法
- HC-PF55Eは原液のまま使用してください
- HC-PF55Eは引火性がありますので、防爆対策を施した専用の洗浄システムでご使用ください
- HC-PF55Eは、大気圧下でご使用の場合、39℃未満の温度でご使用ください
- HC-FXシリーズを39℃以上に加熱する際には、専用の密閉型炭化水素系真空洗浄システムをご使用ください
注意事項
HC-FXシリーズは、パラフィン系炭化水素にアルコールを含有しており、低毒性で比較的安全な洗浄剤ですが、安全にご使用いただく雨に、取り扱いについては以下の点にご注意ください。より詳細は製品安全データシート(MSDS)及びHCシリーズの技術資料をご参照ください。
- 接触及び吸入を避けてください
- 適用法規にあった使い方をして下さい
- 適正な使用を行い、火災等を起こさないよう注意してください
- 水分の持込を避けてください
- 洗浄剤を劣化させないように適正な条件で使用してください
HC-PF55Eの出荷はドラム缶(200リットル)、
または石油缶(18リットル)となります。
洗浄テスト、洗浄システムの選定も行っております。
各種部品の洗浄でお困りの際には、
お気軽にお問い合わせください。