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炭化水素系洗浄液HCシリーズ
HCシリーズは、オゾン層破壊の心配がなく、次のような性能を有するパラフィン系炭化水素をベースとする非水系洗浄剤で、各種金属部品類の脱脂及び電子・電器部品の洗浄に、広く用いることができ、炭化水素系洗浄機に最適です。
炭化水素系洗浄剤HCシリーズの特徴
洗浄力について
HCシリーズは、他の洗浄剤に比べ、油脂、ワックス、脂肪酸、フラックス、ソルダーペースト等に対する溶解力に優れ、規制されているフロン113や1,1,1-トリクロロエタンに近い洗浄能力を持っています。また、汚れの種類により、各種グレードを用意しておりますので、お気軽にお問い合わせ・ご相談ください。
HCシリーズの性状
- 低毒性である(ハロゲン、芳香族、重金属を含みません。)
- 溶解力、浸透力が強い
- 樹脂への影響が少ない
- 水によるリンスが不要である
- 腐食性が無い
- 安定性に優れている(ISO認証済)
- 引火点が50℃以上である
- 経済性が高い
HCシリーズ実績
HCシリーズは1993年に東ソーが独自開発して以来、その優れた洗浄性能と信頼性が評価され、ハロゲン系溶剤等を代替し、産業全般に広く使用されています。
さらに、日本国内のみならず、中国、韓国、台湾、シンガポール、マレーシア、タイ、フィリピン、インドネシア、ベトナム等においても、電気、電子、自動車、精密機器分野等を中心に幅広く使用されています。 弊社ではHCシリーズを長年取り扱っており、洗浄機とあわせ最適なシステムの提案もさせていただいております。
仕様表(炭化水素系洗浄剤)と各製品特徴
製品仕様
HC-AD50 | HC-PF55E | HC-FX50 | HC-FX70 | HC-250 | HC-370 | HC-WS50 | HC-WS70 | ||
沸点 | 152 | 162 | 170 | 194 | 172 | 196 | 172 | 204 | |
比重(25/25℃) | 0.889 | 0.825 | 0.760 | 0.784 | 0.729 | 0.740 | 0.730 | 0.743 | |
粘土(30℃) [Pa・sec] |
0.0026 | 0.0019 | 0.0011 | 0.0015 | 0.0008 | 0.0011 | 0.0009 | 0.0014 | |
表面張力(20℃) [N/m] |
0.027 | 0.024 | 0.024 | 0.026 | 0.024 | 0.025 | 0.024 | 0.025 | |
引火点[℃] | 50 | 49 | 50 | 76 | 53 | 70 | 51 | 70 | |
消防法 危険物分類 (第四類) |
第二 石油類 |
第二 石油類 |
第二 石油類 |
第三 石油類 |
第二 石油類 |
第三 石油類 |
第二 石油類 |
第三 石油類 |
|
水溶性 | 非水溶性 | 非水溶性 | 非水溶性 | ||||||
有機溶剤 中毒予防規則 |
該当せず | ||||||||
水質汚濁 防止法 |
該当せず | ||||||||
大気汚染 防止法 |
有害 汚染 物質 |
該当せず | |||||||
VOC 規制 |
洗浄剤と空気との接触面積が5平方m以上の洗浄施設は、 HCシリーズも該当 |
||||||||
オゾン層保護法 | 該当せず | ||||||||
地球温暖化対策 推進法 |
該当せず | ||||||||
化学物質 管理促進法 |
該当せず |
上記以外に、新製品のHC-AW7000(第三石油類水溶性の)が発売されております。
洗浄液HCシリーズの製品特徴と仕様
洗浄特性 | |
・水溶性汚れの除去に最適 ・油性から水溶性までの幅広い ・IPAの代替に最適 |
|
・油、フラックスを中心とした ・落ちにくい加工油添加剤の ・鉛フリー半田フラックスの |
|
・油汚れの除去に最適 ・抜群の水切り性能 |
各洗浄剤のSP値について
HCシリーズはSP値(溶解度パラメーター)が油脂類やフラックス類に近く、汚れの除去能力に優れています。
一般的に、SP値(溶解度パラメーター)が汚れの成分と近似しているほど、溶解性が高くなっております。(例外あり)
※油と水の複合汚れを一液除去したい場合には、HC-AD50が適しております。
※さらに、油と水の複合汚れが一液で除去可能であり、かつ指定数量が4000リットル(第三石油類)の新製品HC-AW7000があります。
洗浄対象物一覧について
今までの実績使用から、適用分野は下記の通りとなります。各種の汚れ除去は、いずれのHCシリーズにおいても、適切な洗浄システムとの併用が重要となります。お気軽にご相談ください。
業種 | 洗浄対象物 | 主な汚れ |
電子機器 | プリント基板、メタルマスク、リードフレーム(短冊)、 リードフレーム(フープ)、磁気ヘッド、セラミックコンデンサー、 ハードディスクドライブ、フローっピーディスクカバー、 ビデオヘッド、プリンターヘッド、シリコンウェハーケース等 |
フラックス プレス油 ワックス クリームハンダ 切削油 |
---|---|---|
電気機器 | 電極部品、リレー部品、プレス部品、ターミナル、マイクロモータ、 モーター用電極、熱交換器、フィンチューブ、抵抗器、半固定抵抗器、 抵抗器用ブラシ、照明器具用部品、電気製品部品、放送機器部品、 ブラウン管用電子銃、アンテナ部品、信号機部品、銅電線の防錆剤、 電線皮覆フープ材、リレー部品の復活塗布剤、 炭素棒の防水加工溶剤等 |
離型剤 フラックス 表面剥離剤 ワックス プレス油 防錆油 切削油 潤滑油等 (希釈溶剤 用途も含む) |
精密機器 | カメラ部品、光電変換素子用レンズカバー、時計部品、時計枠部品、 コピー部品、ポリゴンミラー、感光ドラム等 |
切削油 鋳造油 防錆油 レジスト 研磨剤 ほこり等 |
鉄鋼・非鉄 | 圧延ロール(金属)、パイプ(銅)、クロマトカラム、細管、 管継手(金属)等 |
グリース 切削油 引抜油 圧延油 表面剥離剤 |
輸送機器 | 自動車ボディー部品、スプリング、ブレーキ部品、 自動車エンジン部品、燃料噴射ノズル、エンジンキー部品、 プリュウダスクリュウ、ギアー、シャフト、ベアリング、 焼結金属部品等 |
防錆油 プレス油 切削油 熱処理油 鋳造油等 |
機械 | ポンプ部品、コンプレッサ部品、反応装置、バルブ部品等 | 防錆油 切削油 反応性生物等 |
その他 | 超硬線用ダイス、プロパンガス用ノズル、化粧品容器、電気剃刀の内刃 ボールペンの先、オーディオの板金、電気製品の外装版 軸受け部品、シロッコファン、換気扇枠部品、ミニチュアドリル 石油ストーブ部品、搬送機械部品、小型精密歯車 減速機部品、ジョイント、アブソーバー ダイヤモンドカッター、計測器部品、各種金属部品等 |
グリース ニス 切削油 プレス油 防錆油 熱処理油潤滑油 表面剥離剤 研磨剤 ほこり等 |
ご参考ページ:適切な洗浄システムの選定
炭化水素系洗浄剤の特徴
他の種類の洗浄剤との比較
塩素系・フッ素系洗浄剤との比較
- 低毒性で人体への安全性が高い
- 揮発性が低く、環境への影響も小さい
- 法規上の制約が少なく取扱いが容易(詳細は下記)
石油系・アルコール系等との比較
- 洗浄力・乾燥性に優れる
- 汚れとの蒸留分離が容易で蒸留回収が可能
- 熱安定性に優れる
水系・準水系との比較
- 洗浄力・乾燥性に優れる
- 金属などへの腐食性がなく、シミが発生しにくい
- 蒸留回収ができ、排水処理が不要
炭化水素系洗浄液の規制上のメリット
- フロン1 1 3及び1,1,1-トリクロロエタンは、洗浄分野を中心に、産業全般に広く使用されてきましたが、オゾン層破壊問題から1995年末に、製造中止となりました。
- 代替フロンに位置づけられるHCFCについても2020年以降、一部の用途を除き、製造中止が決定しています。(オゾン層へ与える影響は無視できないとして、第7回モントリオール議定書締結国会合で決定)
- おのずと従来の塩素系及びフッ素系洗浄剤は、規制問題や毒性問題の少ない水系及び炭化水素系洗浄剤等へ移行しつつあります。
- 炭化水素系洗浄剤の種類は非常に多く、これらの中から最適な洗浄剤を選択することは容易ではありません。そのため、洗浄剤の選定や、洗浄方法の組み合わせを間違い、製品品質への影響や生産に支障をきたす等の問題を起こしている場合も多々あります。(ご参考:洗浄システムの選定についての基本)
- 洗浄分野で利用されている不燃性の塩素系溶剤としては、1,1,1-トリクロロエタン以外に、トリクロロエチレン、パークロロエチレン及びメチレンクロライドが従来より知られております。しかし、これらの塩素系溶剤は、いずれもその有害性に対する配慮が重要であり、安易に使用すると、人体への悪影響や地下水汚染の拡大及び大気汚染等の環境問題を引き起こす恐れがあるため、規制強化されつつあります。
→塩素系溶剤を規制する法律として、排水に関する法規則(水質汚濁防止法、水道法、下水道法等)や、土壌汚染対策法、廃棄物処理法、労働安全衛生法等、大気汚染防止法があります。 - 炭化水素系の洗浄液には、オゾン層破壊の問題や地球温暖化の問題などに関しては直接的な法規制がなく、規制上のメリットがあります。ただし、炭化水素系洗浄剤は引火性があるため、消防法の規制に従わなければなりません。
→HCシリーズの性質と引火性対応のページ
(ご参考:一般的な消防法の内容)
洗浄テスト、洗浄システムの選定も行っております。
各種部品の洗浄でお困りの際には、
お気軽にお問い合わせください。